domingo, 10 de septiembre de 2017

父娘スペインを歩く~その2~1986年の夏にラ・アルベルカ滞在した方の旅行記

少し前に、今年の春に、スペインの最も美しい村巡りの旅で
ミランダ・デル・カスタニャルモガラスラ・アルベルカ
電撃訪問した方のブログを転載しましたが、今度は、
1986年に父娘でスペイン旅行をされた方の記事です。
検索で見つけて、転載の了解を快諾いただきましたので
数回にわたる連載の、今回は第2回めです。

oteさんのサイトからです、その1の続きです。


父娘スペインを歩く 

15日(金) ラ・アルベルカ

 今日はカメラもカセットも使わない日と決めて、自分の目と耳で祭を脳髄にプリントすることにする。朝食をとってゆっくりテラスで一休み。昨夜のホテルでの夕食といい、今の朝食といい、ウエイターにサービスされていい気分になっている。この小さな村に一つしかないホテルだから、えらい金持ちごっこをしているような気になる。他にはフォンダやペンション等の安宿があるだけだから、二つ星でもここの客は少しとりすました感じを受けるのだ。

 時間表によると、今日はミサがある。村の教会へみんなが集まって、ミサが始まった。いつもにない旗の行列などが珍しい。立って見ていると、すぐ前のおばさんに席を作ってもらって座ることが出来た。ミサの後、旗や聖像などがしずしずと担ぎ出され広場の上座に据え付けられると、パンやビーノを供える行事、アルベルカーナという踊りを奉納する行事と祭礼が進行する。輪になったり、二列になったり、隊形を変えながら踊る。手には棒やカスタネットで、みな精一杯着飾った民族衣装だ。この後、子どもたちの踊りは同じような衣装で、花のアーチをくぐったり回ったり、何色かのテープを持ってメイポールの周りで踊るメーデーのダンスのようだった。(これは絵葉書になっていた。)

 村の中を歩いていると、そこらじゅうでカメラやビデオを持った観光客が通っているのに出会う。だいたい30分もあれば隅から隅まで歩けるような小さな村にこの人数だから、アルベルカの祭の宣伝はかなり行き届いているように見える。フランス語も飛び交う。日本人は女の子の二人組を初日に見かけたが、その後は全然見なくなった。この小さい村の行事だから、いれば何度も出くわすだろうに、もうどこかへ行ってしまったのだろう。東洋人はぼくら二人だけになった。ときおり小さな子に「チーノ。」とやられるが「ノ、ハポネセス。」と応える。



 歩き回っていると見覚えのあるところへ出た。ああここは昨日豚が飛び出してきた家だ。あのときはびっくりした。中を掃除するためかどうか、とつぜん五・六頭の豚に出てこられて、道端の石の上に避難したのだ。今度はその石の上に陣取って豚の出てきた家をスケッチする。描いていると男の子が数人覗きに来た。アビラのときみたいに遠巻きに、「オラ。」と言うと、寄って来て口々に喋りだす。「それはあんたの子か?」「名前は?」「歳は?」「子どもは何人いる?」「飛行機で来たのか?」・・・いろいろ聞くので描いていられない。「そうだ。北回りでね。」・・・いちいち答えながら逆に、「君ら、名前は?大きくなったら日本に来たい?ぼくは学校で教えてる。」などと話してやる。何人兄弟か聞いてみると、4人3人は予想していたが「ひとり。」というのもいて、これは国際的な現象なのかもしれないと思った。8歳だというホセが、半分みんなにからかわれながら「こいつタバコ吸いよるねん。」と言われている。「悪い子だ!」と言ってやったら、一生懸命否定しているところがかわいい。酒も煙草もオープンな国だから、ほんとに低年齢と思える子が煙草をふかしていたりする。まるで戦後の闇市(知っているわけではありません。念のため)のように、大人に混じって仕事をする子どもの指に短くなった煙草・・・ビーノは言うに及ばずだ。

 しかし今は祭。子どもたちの格好はその所為もあってか、汚くはない。みんなそれぞれの色をした髪と瞳で、Tシャツや半ズボンを素敵に着ているのをみると、洋服の長い歴史と西洋人のスマートさは日本人にはないものだと少しねたましく思った。話し終わって帰るとき、ぼくのスケッチブックにそれぞれの名前をサインしてくれた。フェルナンド、リカルド、ホセ・ガルシア・オヨス、ホセ、ヘスス・ハビエル、みんなさようなら。

 7時からは民謡大会だ。唄や演奏かと思ったら、踊りだそうだ。レオンやリオハといったところから来ているプロの踊り手たちは疲れ知らずに踊る。男女が半々で10人ほどの若い集団だが、よく訓練されていて面白い。来ている服は民族衣装というよりは、それをアレンジしたステージ衣装のようだった。輪になる-固まる-二列に-繋がる-ねじれる-スクエアダンス風と様々に踊り方を変えて面白い。伴奏はたった一人のおじさんによる笛と太鼓なのだが、このおじさん、腰に太鼓をつけて片手にバチ、もう片方には笛を持っている。それにかぶさるように踊り手のカスタネットが重なると、まるで獅子舞の囃子のようにも聞こえる。この踊りは終始よく似た単調なステップなのだが、ぼくが驚くのは持続する時間の長さだった。跳びはね続けて疲れているはずなのに、表情はいつでも笑っている。溌剌として疲れを知らない踊りは、角館の「わらび座」を連想させる。

 その後、ラ・アルベルカの人たちの踊りが始まると、声援も違ってきた。おじいちゃんもおばあちゃんも、おとなりの○○ちゃんも着飾って舞台に上がって踊る。踊りそのものがうまいというより、スカートに手をかけたり、足でめくるまねをしたり、卑猥な腰つきをしたりして客を沸かせている、どこの国でも見られる景色。

 11時、またH-70が出てくる前にぼくらはホテルへ夕食に帰る。

転載以上

出典:oteさんの「父娘スペインを歩く」

ついでに、oteさんのブログの紹介も
スペイン旅行の記事などいろいろあります。


写真を撮らない、記憶に焼き付けるということで、
当時の写真がないのが残念ですけれど、お祭りの
雰囲気とか、なんとなく目の前に浮かんできます。


参考記事
家族がいたんですね。。。
今は、数件、ロバや牛を1階で飼っているのを知っていますが、
イベリコ豚は村の中の家ではなく外側の栗の林の中の数ヶ所で、
放し飼いをしています。
羊、山羊、馬、にわとり、ガチョウ、孔雀なども飼われて


 ∞ ∞ ∞




シエラ・デ・フランシア ∞ サラマンカ ∞ Sierra de Francia ∞ Salamanca
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2 comentarios:

  1. Hola Hiromi、本当にしばらくぶりにラアルべルカのことが思い出されて、嬉しいです。はからずも滞在する事になったアルべルカでしたが、スペインの心にふれられたようで心地よかったのでした。アルべルカほどでなくとも田舎へ行くと人情のあつさに感動することはしばしばでした。

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    1. oteboxさん、コメントありがとうございます。
      旅の思い出がよみがえるって、素敵なことですよね。
      時間と共に薄れてしまう記憶が、こうやって、文章になっていると、また活き活きとよみがえってくる。。。
      そういう記事に出会えて感謝です。
      この記事を読んだ方にも伝わるといいなぁって思っています。
      本当にありがとうございます。
      次回スペイン旅行をなさる際には、ぜひまた、お立ち寄りください!

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