lunes, 24 de julio de 2017

シエラ・デ・フランシア、サラマンカの概略




世界遺産都市サラマンカから、南西に約70キロ、車で1時間ほどのところに、シエラ・デ・フランシア(フランシア山脈)はあります。

シエラ・デ・フランシア山脈は、マドリッドの東側のグレド山脈からベハール山脈、シエラ・デ・フランシア山脈、シエラ・デ・ガタ山脈そしてポルトガルのエストレージャ山脈と続く、イベリア半島の中央構造山脈(システマ・セントラル)の一部を構成しています。

「バトゥエカス渓谷及びフランシア山脈自然公園」となっていますし、ユネスコからベハール山脈及びフランシア山脈生物圏保護区」に2006年、指定されています。




また、この地域は、ヨーロッパの中でも、宇宙から見たとき人工の光が少ない暗い広大な地域の一つといわれていて、「星空保護区」として、現在スペイン国内ではモレナ山脈、テネリフェ、パルマそして、グレドス山脈北部の4箇所がユネスコから指定されていますが、同じカスティージャ・イ・レオン州のグレドス山脈北部の中にバトゥエカス渓谷及びフランシア山脈自然公園の地域も組み込むようユネスコに働きかけています。

そして、サンティアゴ・デ・コンポステーラを銀の道や南側から目指す巡礼者の一部は、古くからフランシア山脈の中心の山、ペニャ・デ・フランシアの頂上の教会に祀られている、15世紀に発見されたビルヘン・デ・ペニャ(ペニャの聖母)に挨拶をするという、寄り道ルートにもなってたので、現在この地域の村で正式な巡礼の道として認めるように働きかけています。教会や、周囲の村には、巡礼の道のシンボルである帆立貝のマークが設置されています。セルバンテスのドン・キホーテの第2部の22章の一節に、ペニャ・デ・フランシアの聖母に祈る場面があります。

バトゥエカス渓谷には、新石器時代の岩絵があり、渓谷の駐車場から、徒歩で往復2時間ほど渓谷を散策しながら本物を見ることができます。シウダ・ロドリゴの北西に位置する、シエガ・ベルデの岩絵は、ポルトガルのコア渓谷と一緒に世界遺産に登録されています。

この地域全体の面積は、約628km2で、32の自治体があり、人口は9000人余りです。

フランシア山脈、フランス山、フランシア側など、フランスの地名がついている理由は、12世紀にレオン国王アルフォンソ9世の命で回教徒との国境を強化するために故郷のフランス(ブルゴーニュ地方)からの移民者を定住させたからと言われています。このため、この地域の建築は、他のスペインとは、少し違う独特のフランツ・ドイツ風の山小屋風の建築となっていますし、キリスト教とイスラム教とユダヤ教の3つの宗教が融合し、独特な文化と伝統が残っています。

この地域のワインは、かつては、地元の人だけが飲むワインでしたが、現在は、DOシエラ・デ・サラマンカとして、品質管理を行うようになり、現在スペインで一番新しいDO(原産地呼称)ワインで、スペイン国内外で高い評価を得ており、輸出も拡大してきています。この地域のぶどうの品種ルフェテ種から作られるワインはブルゴーニュのワインに似ているというように評する方がいらっしゃるのも、恐らく、歴史的にブルゴーニュ地方との関連からくるものと思われます。また、昨年シエラ・デ・フランシア・ワインルート(ルタ・デ・ビノ・デ・シエラ・デ・フランシア)協会が設立され、ワインを中心に観光プロモーションを始めています。

この地域での生ハム作りは、恐らく、ローマ時代以前に遡るようです。生ハムは、山のハム(ハモン・セラーノ)と呼ばれることから分かるように、寒暖の差が激しい山の中で作られていました。ディオクレティアヌス皇帝時代にローマに向けて生ハムを輸出するという勅令があったそうですし、地中海のタラゴナには、2000年前の化石化した生ハムが残っているということです。カバコという村には、金の採掘所がありましたし、この地域の栗の木はローマ時代に植林されたという話なので、銀の道を経由して、この地域で生産していた生ハムがローマへ輸出されていたことは想像できるのではないでしょうか。
イスラム教徒の支配下でも、キリスト教徒であることの証として、イベリコ豚の飼育と生ハム作りを続けてきたからこそ、今なお、ローマ時代以前からのやり方を続けているのかもしれません。

ラ・アルベルカは、15世紀からアルバ公爵家の所領となり、村のお祭りにもアルバ公爵家関連のものがあります。1940年に、スペイン国内で最初に歴史保存地区として指定され、その後、ミランダ・デ・カスタニャル、モガラス、サン・マルティン・デ・カスタニャル、ビジャヌエバ・デル・コンデ・セケロの5つの村も歴史保存地区として公的に指定されています。

また、ラ・アルベルカ、モガラス、ミランダ・デ・カスタニャルがスペインの最も美しい村協会のメンバーになっていてます。
スペイン国内でも、特徴のある村が集中的に存在している地域で、訪問するべき村、美しい村などの記事などで取り上げられる機会がたくさんあり、スペインでも有数な観光地域の一つです。

生ハム、ワイン以外に、オリーブオイルの生産、蜂蜜、果物の生産が盛んで、アグロ・ツーリズム関連やグルメツアー関連、自然環境を生かして、トラッキング、登山、ハイキング、サイクリングなどのエコ・ツーリズム関連や心と体のリフレッシュ・デトックス・ツアー関連など、いろいろな可能性が広がります。

シエラ・デ・サラマンカ山脈の南側は、エクストゥレマドゥラ州カセレス県で、山越えルートがあり、世界遺産都市サラマンカで滞在・観光の後、シエラ・デ・フランシアの中心地ラ・アルベルカで一泊か2泊して、この地域を観光し、その後、南のカセレスやメリダへ移動してローマ遺跡の観光するツアーをことができます。

また、西へとモンサグロ、シウダ・ロドリゴ経由で、ポルトガルのほうへ向かったり、サンティアゴ・コンポステーラのほうへ抜けるというルートも考えられます。

サラマンカ南部のシエラ・デ・フランシア地域に旅行を計画されている方は、お気軽にご相談ください。


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